時は遡ってミワの高校時代。
担任の将来の夢を明かしていく。出版関係の仕事に就きたかったミワ。夢を叶える為に希望大学を伝えていく。
『(夢を叶えるため)とにかく東京の大学に行きたいんです』
担任から今のミワの成績であれば希望大学は問題ないと太鼓判を押されていく。しかし、親に相談すると…。
『ごめんね…みわ…学費は出せない…大学は諦めて』
ミワの父親はそれなりの会社でそれなりの給料をもらっていたはず…母親の言葉に驚くミワ。母親は子供たちに隠していた家庭の内情を明かしていく。
父親は2年前に会社でトラブルを起こして辞めていた。現在は非正規の仕事で年収がガクッと落ち込んでいたのだ。家の預金は多少あるが弟も高校進学が迫っている為、ミワを大学に行かせる余裕がないと語る母。
泣きながら謝罪する母を見て返す言葉が見つからないミワ。意を決する。
『奨学金で行く!』
大学のお金は自分で工面して親に迷惑をかけない事を誓うミワ。そして東京に出てくる際、両親から落ち着くまでの資金として30万円の積立貯金をもらっていく。
そして東京でのミワの生活がスタート。
大学で勉強。その後はコンビニでアルバイト。しかし、生活をしてみて気づくミワ。まったくお金が足りなかったのだ。最低でもあと5万円プラスで稼がないと預金がすぐに無くなってしまう状態。
ミワは週末だけキャバクラで働く事へ。
何とか預金を減らさずに生活できる水準になったが就活が始まればバイト出来る時間も減るので今の内に預金しておきたかったミワ。
しかし、週末深夜まで働くと生活リズムがおかしくなるので講義中に居眠りしてしまう時間が増えていく。
自分に水商売は向いていない…でもお金はもっと稼がないと先が心配…。
そんな彼女に声をかけてくるのがリョースケであった。バイトが遅く終わって眠かっただけであると伝えていく。
『えっもしかして君も奨学金もらってる?』
同じ境遇である事がわかった二人。
仲間意識が芽生えて一気に親しくなっていく。一方でリョースケは知る苦学生の現実を語っていく。効率良く稼ぐ為に女は風俗。男はキャッチ。しかし、厄介事に巻き込まれて大学を辞める人もいると…。
『そうなると本末転倒だよね』
そんな話を交えつつ自己紹介もして仲を深めていく二人。
一方、ミワはリョースケから聞いた「効率良く稼ぐ方法」を実践する事へ。彼女はマッサージ系の風俗に入店。バイト代は良く、預金も出来る状態になるが心の中で『気持ち悪い』と感じていた。
大学ではリョースケの方からも積極的に話かけてきてくれてドンドンと仲良くなっていく。
そしてマッサージ店に現れる眼鏡中年サラリーマン。
ミワにマッサージ以上の事を要求していく中年リーマン。最初は否定するミワでしたが…。
『もちろん、その分上乗せするよ』
『……いくらくれますか?』
マッサージのバイトが終わるとリョースケに連絡を入れるミワ。何気ない会話であるがリョースケはミワの元に急いで駆け付けてくる。
『どうしたの…山中さん!?』
ミワは無意識に涙を流しており、涙声で心配だったリョースケはバイトを休んでミワのもとを訪れてくれていたのだ。大丈夫だと語るミワであった…。
『好きな子が泣いてるのにほっとけない』
ここから二人の交際がスタートしていく。同時にミワは内緒でまだマッサージ系のアルバイト。そんな中、眼鏡中年リーマンがある提案をミワに持ちかけていく。
『僕、君のこと気に入っちゃった…もっとシたいんだよ』
中年リーマンは月2回。1回4万~5万円でミワに独占契約を持ちかけていく。ビジネスの話だと上手く濁す中年リーマン。
『…そういえばまだ言ってなかったですね…しずかです…私の名前』
月2回の中年リーマンとの契約を承諾すれば嫌なマッサージバイトも辞められる、時間に余裕もできる、預金も出来る、お金の心配をしないで勉強もできる…。
ミワのお金で苦しんでいた気持ちが解放されていく。ここで第2巻は終了。