『夢じゃ…ないんだよね…』
夕べの事が嘘のように目の前にある現実に驚いていくミワ。昨夜の出来事を思い返していく。
ミワの自殺を止めてきた二人組。
彼らはお金で解決できる問題であれば協力するといった意志をミワに告げていきます。そんな虫のいい話がある訳ないと問い詰めていくミワ。
『あなた達が大金をポンとくれるとでもいうの!?』
二人組はお金をあげる訳ではないと告げつつ、ミワに宝くじの当選券を手渡していきます。数字を予想して当てるミニロト。これを複数枚、ミワに渡す二人組。
全て当選していると告げて二人組はミワのもとから立ち去っていきます。
そして、実際に宝くじを換金したミワ。総額でなんと175万8千円が手元に入ってきます。
卒業まで残り3年。
コンビニバイトと今までの預金を合わせれば大学に通いながら生活が可能。
『やっと…やめられる…』
同時にリョースケの事が脳裏を過ぎっていくミワ。また彼は私の前で笑ってくるかな…。その矢先、自宅のインターホンが鳴ります。ミワは家にリョースケを呼び出していたのです。
リョースケは昨夜、尾行していた理由を明かします。きっかけはミワの同僚男性スタッフの一言でした。週末たまに早くあがる事を聞いたリョースケ。おかしいと思って待ち伏せして尾行した事を打ち明けます。
『いつから?俺とつきあう前、後?なんで?』
ミワに問い詰めていくリョースケ。
彼女は本心を明かします。全てはお金の為であると…。
ミワを冷たい視線で見つめるリョースケ。
必死で謝って別れたくない…一緒にいたい意志を告げていくミワ。
『やめるから!あんな事もうやめるから!愛してるのよ、リョースケ!』
何も言わず、ただミワを見つめるリョースケ。その無言が苦しくなっていくミワ。そして、ようやくリョースケが口を開きます。
『ミワ…やめなくていいよ』
中年リーマンから1回いくらもらっていたのか問い詰めてくるリョースケ。彼の意外な反応に理解が追いつかないミワ。
『その金…俺に貸してくんない?』
ミワの身体を求めつつ、自身の背景を明かしていくリョースケ。実は彼もバイトだけでは生活を繋ぐ事が出来ず、ヤバい所から借金をして困り果てていたのです。
さらにミワに同棲の提案をしたのはミワを利用してお金稼ぎを企んでいた事を明かすリョースケ。好青年の仮面を被ったクズ男だったリョースケ。
『もっと稼いで…俺の為に…』
一瞬で彼に幻滅していくミワ。求めてくるリョースケを拒絶。そして宝くじの当選金を投げつけていきます。
『それあげるから出てって…二度と私の前に現れないで…』
封筒に入っていた大金に仰天するリョースケ。
『やっぱりミワは最高だね…俺も愛してるよ、また来るからね…ミワ』
満面の笑みで立ち去っていくリョースケ。そんな彼を見て絶望しか感じないミワ。
月日は経過して場面転換。
大学キャンパスではミワの噂をする同級生達。大学で彼女の姿を見る機会が減っていたからです。
『あの子、大学やめたって…ゼミの先生が言ってた』
ミワの話題と噂話で盛り上がる同級生の女子大生達。
そんな噂話を背後で聞いていたのが謎の二人組の帽子を深く被った片割れ。ミワの末路を知った彼は相棒と合流。ミワが大学を辞めた事を伝えていきます。
意味深な会話のやり取りをする二人。
『ここは静かで落ち着ける…邪魔されたくない』
帽子男の方は相棒のミワを助けた理由に納得。今はどん底だが死ぬ気で足掻いていれば、いつかいい事があるよ…と呟く二人組。
そして二人組は再びミニロトのくじを買いに街中へ出掛けていきます。ここで第4巻は終了。